04/11(sat)の深夜、
実にひさびさに西荻・アケタの店に出向き
渋谷毅のソロ・ライブを聴く。
やあ、ここはいつ来ても変わってないなぁ、
とか何とかビールをすすりつつボケッと考えている間に
例によってルーズな雰囲気で始まったこの晩のライブ、
1曲目は“Memories Of You”。
わわ、そうきたか。
これにはちょっと意表を突かれました。
ひさびさのアケタ訪問で
ちょっとした郷愁(?)を覚えていたところに、
「君の想い出」だものね。
のっけから、なんだかしんみりとしてしまいましたが。
しかしまあ、少なくともソロの領域においては、
彼の音楽にずいぶん親しんできたものだなと思う。
今回のライブのメニューをとっても、
演奏されたほとんどの楽曲に聴きおぼえがありましたからね。
ま、彼は日常的に実にさまざまな人たちと
あちらこちらで演奏しているので、
僕が「親しんできた」なんて勝手に思っているものは
渋谷さんの音楽性の中の氷山の一角にすぎないのだろうけど。
それはそうと、この晩のライブ、
演奏が進むにつれて
これまでのライブとはどこか異っているような、
そんな違和感がじわじわと胸の内に膨らんでくる。
はて、この違和感はなんだろうと考えている内に、
その正体に思い当たる。
そういえば渋谷さん、
今日はまだピアノの前で一度もタバコを喫ってないじゃないか!?
渋谷毅という人は演奏する時にいつも、
ピアノのかたわらにアルコールとタバコを欠かさない人なのだが、
この日はアルコール(らしきもの)の入ったグラスは
いつも通りに用意してあるものの、
曲間にタバコに火をつける気配がまったくない。
僕は今回のライブ終了後に即座に店から出てしまったので(実は
いささか疲れていて、演奏中も懸命に睡魔と闘っていた)、
ステージを降りた後の渋谷さんの様子を窺うことは
できなかったのだけれど、
うーむ、もしや渋谷さん、禁煙に挑戦中ですかぁ?
そんな慣れないこと(?)をしている影響だろうか、
この日のライブ中には曲間に渋谷さんが納得いかない様子で、
しばしば首を傾げる様子が見てとれた。
ま、僕的には特に問題のある演奏には聴こえなかったですけどね。
特にこの晩のオーラスの曲を弾き始める前には
ずいぶんと長いことピアノの前で考え込んで、
しかも一旦は弾き始めた曲をすぐやめて
もう一度しばし思索にふけった後に
べつの曲を弾き始めたのだった(で、
この曲を最後まで弾き通してライブはおしまい)。
ちなみに、この最後の曲、僕は知らない曲だったのだけれど、
どうやら世間的にもあまり知名度の高い曲ではないらしく、
ステージを降りたばかりの渋谷さんに
アケタのスタッフが「最後の曲は、なんて曲ですか?」と
尋ねているので、耳をダンボにして待っていると、
渋谷さん、「あれねー、何だっけな?
僕も忘れちゃった」ですって。
わはは、タイトルもわからない曲を
ライブの締めくくりに演奏したわけだ。
まあ、渋谷さんらしいといえば、らしいですが。
や、何はともあれ、禁煙がんばってください!?
で、まだあまり眠気から解放されていない翌日の昼間、
快晴の池袋の日差しを浴びながら
青い稲妻号で
辻井伸行くん宅を訪問する(ちなみに我々は、
ともに豊島区民)。
のぶりんは今月の後半から渡米して、
世界規模の予選を勝ち抜いてきた精鋭たちとの
大きなコンクールに挑戦することになっているのだけれど、
そのコンクール中に演奏しなければならない
山ほどある課題曲の中に、
ごく最近に作曲されたばかりの現代曲が含まれていて、
当然のごとくその楽曲に関しての資料はほとんどない。
コンクール本部から譜面が送られてはきたものの、
残念ながら彼は読譜ができない。
そんなこんなで、
どこかの誰かがその曲を含む数曲をリサイタルで弾いた音源である、
他の誰かから入手してきた未編集のCD-Rから、
その問題の曲だけを抽出してCD-Rに焼いて、
さらにのぶりんがいつでも聴いて学習できるように
iPodにエクスポートするという作業を
僕が引き受けることになったのだった。
ま、極めて奇妙で難解な曲でしたね。
一小節単位でめまぐるしく行われるリズム・チェンジに、
やたらと細かいパッセージの連続攻撃。
こちらの作業に間違いが起こってはならないので、
譜面とにらめっこで
編集を終えた音源を何回か通して聴いたのだけれど、
何度聴いても、
なんでわざわざこんなへんてこな曲を作らなければならないのか
正直に言って理解できなかった。
現代曲ってのはどうも厄介ですな、
完璧に憶えて弾けるようにしなければならないとは
のぶりんが不憫だ、アーメン。
そうそう、渡米を間近に控えたこのタイミングで発生した
新型インフルエンザの問題も気になるところです。
良い演奏をして(願わくば良い結果を残して)、
元気に帰国してくれればいいけれど。
あ、ちなみにそのコンクールとは↓です。
Cliburn Competition
http://www.cliburn.org/index.php?page=cliburn_competition