普段から何かとお世話になっている
いのうえさんの1ヶ月ほど前のブログ記事を読んで以来、
ひさびさに高田渡をけっこうじっくりと聴き返している。
かつての僕にとっての
高田渡という人についてのイメージは、
「何者なのかはよくわからないけれど、
とにかく泉谷しげるや鈴木慶一らと親交の深い、
やたら浮世離れしたフォークシンガーのおじいちゃん」
といったようなものだった(実際には、
彼は見た目ほどは“おじいちゃん”ではないことを
後になって知ることになる。
僕の記憶が確かならば泉谷の1コ下だった筈)。
そしてそうこうしている内に、
この「何者なのかはよくわからない」人は、
ある日突然(ほんとうに突然)死んでしまったのだった。
まことに僭越ながら僕の超個人的な脳内妄想の中では、
高田渡、
渋谷毅、そして僕が
“日本三大アル中ミュージシャン”ということになっている。
もちろん現実的には
僕のアルコールに対する依存の度合いなんて、
彼らに比べれば(たぶん)可愛いものなのだけれど…。
たとえば渋谷さんはライブで演奏している時にも、
曲間にせっせとグラスを傾けているものだから、
そのライブが終了する頃には、
傍から見ていても明らかなくらいに酔っ払っている。
僕もライブの当日には、
演奏前から(あるいは会場入りする前から)、
ビールか何かをある程度は飲んだりするけれど、
酔っ払っていると自他ともにはっきりとわかるくらいに
多量に飲むことはない。
これがワタルさんともなると、
日常的に昼夜を問わず飲んでは寝て、
そしてまた起きて飲んでまた寝て…というサイクルを
延々と繰り返しているということになる(というか、
なっていた筈。おそらく)。
昼酒に対しての罪悪感を覚えないというのは、
アル中の必須条件のひとつだと思うのだけれど、
何しろこの高田渡という人に至っては、
酒量が過ぎて演奏が覚束なくなるなんてのはザラで、
たとえば、
筑紫哲也との対談を軸にしたTV報道番組の
収録中に寝てしまいそうになったりもして、
まあ僕なんかとは立っているステージの高さが違う。
うん、やはりこのふたりに名を連ねようというのは
あまりに僭越すぎるだろうか。
まあその、あくまでも個人的な妄想ということで…。
で、ここのところ我が家でヘビロテとなっているのは、
『高田渡/高田漣 “27/03/03”』というアルバム。
これは彼の死のちょうど2年前に
NHK-FMの番組の公開録音のために行われたライブで、
ベスト盤的な選曲によるメニューが
この上ないくらいの良いコンディションで、
しかも息子さんとの共演というかたちで実演された、
まさに彼のキャリアの集大成というべきもの。
ちなみに息子のレンさんは
スティールギターを中心に多彩な弦楽器を演奏する、
ハワイアンやトラッド方面のリーダー・アルバムを
多数リリースしている才人で、
いわゆる「七光りタレント」とは一線を画する人。
とにかく、このアルバムは何から何まですばらしい。
まず高田親子のパフォーマンスがすばらしい。
さらにほぼノーカットと思われる、
ワタルさんの独特の語り口による
愉しいMCまでも収録した編集もすばらしい。
そしてこの番組のディレクターを務めた
NHKの佐藤英孝氏によるライナー・ノートが、
これまたすばらしい(僕はこの作品を聴くたびに、
ついついこのライナーを読んでしまう。
そういうことってまずないですよね)。
何よりこの作品を通してあらためて気付かされたのは、
高田渡はとても巧いギター・プレイヤーだということ。
言葉にしてしまうとあまりに陳腐なんだけれど、
とにかく自然体なんだよね。
シンガーとしての高田渡のキャラと、
ギタリストとしての高田渡のキャラの間に
ぶれがないというか。
ギターという楽器が
彼の肉体にぴったりと馴染んでいるということが、
出てくる音に見事に反映されていて感服することしきり。
僕はお世辞にも人付き合いがいいとは言えないような
超個人主義的マイペース人間だけれど、
こういう人が確かに存在していたのだということを
同じ日本人として誇りに思うし、
また、この作品のようなすばらしいものが
おそらくあまり多くの人々(いや、どのくらいの数字で
“多くの人々”というものを定義するかは、
もちろん難しいことだとは思うけれど)には
聴かれていないだろうことを、とても残念に思う。
そんな高田渡さん、
あろうことか彼についての新作ドキュメンタリー映画が、
来年の5月に公開されるらしい↓。
『タカダワタル的ゼロ』
http://www.takadawataru.com/その姿・立ち居振る舞いを見ているだけで、
思わず笑いがこみあげてほのぼのとした気持ちになり、
同時に不思議と泣けてしまったりもするワタルさん、
きっとあなたは実は未だに生きているのでしょう(まあ、
ある意味においては…)。
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高田さんビキナーの小生としては丸の内さんというすばらしきナビゲーターを得たと思っています。 このCDそして映画はぜひ聴きたい・そして観たいものであります。
という事も含め 月並みですが「本年も宜しくお願い致します!」